田中真一 - 千葉県館山市 -


2012. 4 設置


 千葉県の房総半島に農家の中古住宅を購入し、移住することを決定した後、最初に頭を悩ませたのが生活雑排水・し尿処理の問題でした。下水道が整備されていない地域でしたので、当初は合併浄化槽を設置することを検討していましたが、あまりにもその不都合さに辟易したのを覚えています。その時初めて知ったのですが、合併浄化槽をきちんと稼働させるには曝気や汚泥汲み取りが必要になり、処理水は最終的に塩素系の薬品を加えて河川に流すことになるとのこと。処理水を河川に流してしまうくらいなら、うまく再利用できる浄化システムはないものかと探したところ、エコロンシステムの存在を知りました。

 処理水再利用という点では少し違いましたが、曝気も汚泥汲み取りも必要なくノーメンテナンスで運用が可能で、処理水と浄化の過程により生成された有機物は周辺土壌に浸透するという、田舎で循環型生活を目指していた私たち一家にとっては、まさにエッジの効いたシステムでした。電力が必要ないとのことで災害に強い点も高評価でした。気になったのは耐用年数と設置費用でしたが、ネットで検索してもほとんど情報がなく、冨安さんに直接電話して話をしたところ、実際にエコロンシステムを導入したお宅を見学させてもらうことにしました。

 ご紹介いただいたのは、山梨県都留市の賀川督明さん・一枝さんご夫妻のログハウスでした。ハーフビルドのログハウスやそのライフスタイルにすっかり魅了されつつ、「浄化槽を設置していることを忘れてしまうような生活ですよ。」とのエコロン評価でエコロンシステムを導入することを決意しました。初期費用はやはり合併浄化槽と比較すると割高でしたが、超過分は長期利用で十分に回収できると判断しました。エコロンシステムを設置して約5年が経過しますが、浄化槽を意識することがない日常です。合成洗剤や漂白剤の使用、油汚れの排出にも神経質になりすぎることなく、毎日を送っています。

私は、海洋生物を調査保全するNPOで仕事をしています。仕事柄、海の環境を気にする機会が多いですが、海洋生態系の保全には陸上でのアクションも重要であることを痛感しています。陸から海そして海から陸への有機物や栄養塩の循環は自然界では日々起きている現象です。魚類のサケが海から川を遡上し産卵を終えた後にクマなどの陸上動物に捕食され、それら動物の糞などが川から海へと運ばれる流れはその一例ですが、有機物の陸~海の循環は森・海それぞれの生産性を高めることに効果的に働きます。健全な物質循環は、健全な生態系を保つ役割を担っていますが、そうした循環に人間による有機物の大量供給が入り込むと弊害が生じます。「土の上で生きている生物の排泄物は土に還す。」との冨安さんの言葉に象徴されるように、エコロンシステムは人間の物質循環への悪影響を緩衝する画期的なシステムだと思います。

我が家にもすでに数組のエコロン見学者が来ました。エコロン導入に対しては、皆さん、同じような不安を抱いているようですが、まず、臭いがまったくないことに驚かれます。最終的には、ご自身のライフスタイルや環境配慮に対する投資感、施工業者との兼ね合いなど、そうした要因で判断することになると思います。エコロンの実力を体感した我が家の次のステップは、浄化槽選びの原点でもあった処理水の有効利用です。可能であれば、エコロン処理水を実生活で再利用する方法も模索していきたいと考えています。

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